ただただ思ったことを上手く伝える練習

やりたいこと、嫌なことの天秤について

 自分のやりたいことが全て理論で自由に生きていくのが良いと考える人がいます。

 

 とても分かります。楽しいと思います。

 

 年齢を重ねるたびにシガラミがどんどん増えて、自分の肉体、時間、精神の多くを他人に消費されるような状況になっていきます。

 

 自分に投資ができない。嫌なことをしている。成長しない。

 

 本当の自分を開放するなら、子供も正直どうでもいいし、妻の相手をいちいちするのも面倒です。テクニカルに興味がある人々と何らかのものづくりをしている方がよほど楽しいと感じるのではないかと思っています。

 

 ただ、最近の自由がすぎる世の中でこの潮流だけが増えると、生物的には絶滅の道に近づいていくんだろうなと考えます。

 

 子供の増加は難しくなるでしょう。

 子育ては大変ですし、そもそも自分の時間が大量に奪われます。たいして子育てに関わっていない私が感じるのですから、冷静に考えたら絶望するほどの時間が浪費されるでしょう。

 性欲よりも、他の欲求が満たされて満足してしまう方も多いでしょうし、子供がいるかどうかで変化するような社会的立ち位置なんて、興味がないでしょうし。

 

 また、長寿命化の方向も難しいでしょう。

 他人を助ける。医療行為なんてなかなか浸透しないでしょうね。お金がもらえるかもしれませんが、苦痛も増えると思います。治安も教育も同じロジックに感じます。警察官なんて、お金も無ければ、やりたいと思う人も少なくなってくるでしょうし、すでに先生を志す人は減っていると聞きます。

 

 やりたいことだけをやるだけの人は、アリの20%理論と同じなんだと思います。

 

 結局、社会的に構築された生物の行き方として、年をとると苦行に耐えて生きていくことが提示されているのかなと思います。

 それはその権利を持てなかったからなのかもしれません。